真冬の小学生・・・ 山奥の夏はマラソンでしごかれる。 冬は? 何もないと思いきや そうは問屋が卸さない・・・・・ ハハハ
冬の日曜日は言わずと知れた スキーだ。 ハハハ 昭和30年代後半! 山奥の小学生、スキー以外は無いのだ。 またまた集合がかかる。 当然ながら冬も勉強の記憶は無い。
当時は11月後半から12月初めには雪が降り始め多い年は2m以上にも成る山奥だ。やがて1mほど積もるとまたしても おい! おまえら日曜日に たたらの山に集合だぁ~・・・
猛吹雪の日以外は、少々の風雪でも集合だ。 これまた5~6人ではなく、なぜか冬は10人近く集まる。 集まったところで訓辞?(ハハハ 命令と言ったほうが正解かも)
ヨシ! 山の上に向かって滑走するところを皆で固める。 横に成って順番に・・・ザックザック音を立てながら上に向かう・・・記憶によると?最大斜度30度ほどかな~?
ところが小学生だ! 今思うと40度ぐらいの感覚・・・・・ 頂上まで固めて下を見る・・・・・ 一瞬ブルッ! ・・・ ゲレンデの幅は3m程度かな?新雪を固めて・・・
スキーを履いても20センチ以上も新雪が固まるので小学生なら ひざ下かな? ハハハ とにかく新雪のままでは途中で雪に埋もれてしまう・・・・・
さて、ゲレンデの長さは、ほんの200~250mほどしかない。しかし、30度はある。 そして小学生には40度ほどに見えてしまう・・・ ハハハハ それでも逃げ出すやつは居ない。
よし、固めたところで一休みだ。 当時はお菓子など買う金も無い、ハハハ ミソを付けただけの握り飯! これがまたうまいのなんのって・・・・・・・ ハハハ
スキー板は、単板と言って板を薄くして先端を曲げただけだが、まあ~形は今時の板とほぼ同じかな? スキー靴など無い! ながぐつはいて革バンドをしめただけの金具だ。
ストックは? これもストックとは言わない。 つえだ。 直径1センチ~1.5センチ程度の竹のつえに、下のほうにリングを付けたもの。 そのリングだって細い竹を丸めたものだ。
そんな調子だが、板には参ったねぇ~・・・ すべりが悪いと雪がどんどん着く、板の下面の着くのだ。 それこそ3センチや5センチも付く。 その為に出かける前に ろうを塗る。
そう~ロウソクのろうと同じようなロウだ。 ハハハ それでも雪道・・・山までは2キロ近い・・・・・ 着くまではもう~ロウの効き目が亡くなるってもんだ。
でね、ゲレンデを踏み固める時には滑走面(板の下面)には雪のこぶだらけだ・・・ ハハハ めしを食った後には個々に今度はロウを塗るわけだが、これがまた微妙だ。
塗りすぎは すべりすぎ・・・・・ ハハハ しかし、雪のこぶがつくのもいやだ。 なにせ出来た滑走路を 直滑降で落ちてくるわけなので・・・・・ アハッハ
まさに、落ちてくると言う言葉がふさわしい 滑走路だ。 そして当時は、パラレルだのウェーデルンなど 言葉は知らないから、スキーと言うととにかく直滑降か?
ジャンプぐらいなもの・・・ ハハハ さて、話を戻して新雪を皆で踏み固めてゲレンデを作って、飯を食ってロウも塗った。 ガキ大将が言う・・ ヨシ!
準備出来たやつから、順番にすべって来い! まずは俺が見本を見せる。 シュゥッ! もの凄いスピードで落ちて行く・・・・・ 下でつえを回す・・・・・
よぉ~し!良いぞぅ~ シュゥッ!と 言われて順番に行くのだが、足がガクガクしてても いざ!落ちると何とかなるものだ! 瞬間最高速度たぶん?50~60キロは有ったと思う。
ちなみに、オリンピックなどのジャンプ台は 斜度35度前後で最高時速は90キロ前後らしい?・・・・小学生の斜度30度、時速50~60はどうだろ? 比べるものが無いから何ともない
途中で吹っ飛ぶやつも居るし、転んで転がって行くやつも居る。 ハハハ はたまたしりもちついて、その反動でつんのめって、前のめりにころがるやつも居る・・・・・・
色々なやつが居るが、さすがに高学年は慣れてる。 しごきに耐えてきたのだろう。 なかなか転ばない・・・ そういうのを見るとやはり何度も登っては滑る。
やがて、数年してただ直滑降だけでは面白くないと大将が言い出す・・・・・・ある日、大将がスコップをもって来た。 今日はぁ~ジャンプをやるぞ!・・・ えっ???
その日もいつものように踏み固めた後に、おまえら一休みしてろ、オレがこれからジャンプ台を作るぞ・・・・・・・ 皆でなんだなんだと小さい声で・・・・・
いやぁ~これがジャンプの始まりだ! ジャンプと言っても滑走路の三分の二ぐらい落ちた所にほんの1m程度の高さのジャンプ台。 たいしたことないと思ったら大間違いだ。
ハハハハ・・・ これがまた、実は天上から落ちてきてただ通過するだけで、ゆうに5~6mは飛ぶ。 ハハハ 今じゃ立派なジャンプ台で鍛えた小学生でも飛べるが?
昭和30年代後半だ! ジャンプってなんだ?みたいな山奥の小学生! ハハハ おそるおそる・・・それっ!と天上から落ちてゆく・・・・・ 飛ぶ! 着地に失敗してつんのめる。
最初は皆 つんのめる・・・ 要は前のめりにドサッ!と落ちるようなものだ。 何度落ちてもやるうちに慣れてくる。 一か月もすると着地は出来るように成る。
ここからが大変だ。 またまた大将が無理難題を言う・・・ ある日、おい! 今日は飛んだ距離を競うぞ。 良いか! 出来るだけ遠くに飛べっ! てなもんだ。
よぉ~~~しっ! と、皆が意気込む。 ハハハ うまいやつは10mほども飛ぶ。 しかし、スキー板は普通の単板だ。 それでも皆必死だ。大勢でやるから楽しく成るんだよね。
飛びすぎて頭から雪に突っ込む! ひたいから血がにじむ・・・・・・ いやぁ~僕も何度かひたいにケガしたが・・・・・血がにじむ程度では誰もやめない。
夢中に成って何度も滑るが、そうだねぇ~ 10本ぐらいは行けたような記憶だ? やがて薄暗くなるまで繰り返すんだ。 こうして冬も鍛えられた強靭な足腰・・・・・
これも、中学に入るまでは続いたと思う。 ん、冬のほうびは何だっけなぁ~・・・記憶は定かではないが冬と言うとなんだろう・・・干し柿?かたもち?リンゴ?・・・・
こうして、当時のスキー板は 回転競技も出来るし、かかとが上がる金具なので距離も出来るし、ジャンプも出来る。 スキー1セットで何でも出来た訳だ。
いや! 何でも出来たのではなく、何でもやってしまったという事かな? 一つの道具で何でもやると言う、まあ~昔の遊びだね。
ところが近年は、専用の道具が無いと出来ないようで少し残念な思いも有る。 それにしても昔のガキ大将って すごく尊敬できる存在だと今に成って思う。 感謝だ。
さて! 幼い頃の冬の陣! ハハハ・・・・・ 良い体験だったなぁ~・・・・・ では、次は何を・・・・・ 川の陣にしようか・・・・・ ではまた。